チーズの皮って食べられる?

突然ですが、食べものの皮って美味しいですよね。

果物の皮、野菜の皮、魚の皮…、どれも皮の部分には栄養や旨みがあると言われています。その反面、青果の皮には残留農薬が?だとか、お魚の皮を食べるのはマナー的にどうなの?だとか、いろんな議論もなされていますね。どれが正しいのかはさておき、そのくらいには世間の興味をひいている食べものの皮。

今回はこの『皮』、とりわけチーズの皮についてのお話です。

さて、こちらのチーズ。

みなさんにも馴染みのあるチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ(以下パルミジャーノ)です。パスタの上にかかっていたり、レストランでシーザーサラダの上にのっていたりするあのチーズ。粉チーズやパルメザンチーズと言った方がピンくとるかたもいるかもしれません。

厳密にはパルミジャーノとパルメザンチーズは全然違うものなのですが、そのお話はまたいずれ。今日はこのパルミジャーノの皮にフォーカスさせてください。

パルミジャーノをブロックで買うと、使っているうちに最後に硬くて分厚い皮が残りますよね。この皮、どうされていますか?

そのまま食べるには硬すぎるし、すり下ろすのも端っこすぎて手まですり下ろしそうで難しく…。もったいないけど生産者さんゴメンナサイと心の中で呟いて、ゴミ箱にそっと入れていませんか?

もし、パルミジャーノの皮をゴメンナサイと捨てているなら、今日からは捨てないでください。その皮、まだまだ使えます。

まずは皮の表皮側をよく洗うか1〜2mm包丁でこそいでから、サイの目切りにします。これでスープのダシをとったり料理のコクづけに入れたりすると、本当にいいお味になるんです。イタリアではポピュラーな使い方です。

また、鍋にパルミジャーノの皮と水を入れて煮立たせ、ボウルにとき卵とパン粉とすり下ろしたパルミジャーノを入れてまぜたら鍋に投入し、あとは塩胡椒で味を整えれば完成する『スープミルファンティ』もおすすめです。お好みで刻んだ玉ねぎなども入れるとさらに風味UP。

福田みわ先生直伝 イタリアのかきたまスープ スープミルファンティ

もう一つおすすめの食べ方は、サイの目にしたパルミジャーノを皮目を下にして弱火のフライパンに並べ、10分〜15分(大きさによります)じっくり加熱します。ふくらんできたら火を消して蓋をして数分待ちます。これでお餅みたいな不思議食感のパルミジャーノの完成です。冷えて固まれば、今度はポップコーン食感に。

…どうです?皮だけ欲しくなってきませんか?

ちなみに、パルミジャーノの皮なんて食べてワックスとか大丈夫なの?と心配になったかた、大丈夫です。パルミジャーノの皮にワックス はついていませんのでご安心を。パルミジャーノの皮がツルツルと硬く輝いているのはワックスではなく、熟成期間中に表皮を幾度となく丁寧にブラッシングされることによって内部から滲み出た油分が硬化して表皮となったものなのです。

ただ、そうは言っても熟成中からたくさんの人の手を経て流通に乗るものなので、表皮はキレイに洗うかちょっとこそぎとってから食べてください。

パルミジャーノの皮、大好きになりますよ。

他のチーズの皮についてはまた別回で。

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