ワインに合うチーズはどれですか
お店で接客をしていると、お客さんからよく聞かれるこの言葉。ワインとチーズが合うのは知っているけれど、どのチーズが合うのかはわからない、と思っている方が多いようです。マリアージュ、なんていう言葉も広く知られるようになって、余計に“合わせかた”を気にされる人が増えたのかもしれません。
ワインに合うチーズはどれなのか、結論から言うと、
どれでも合います。
そうじゃなくてベストマッチを知りたいんだよ!という声も聞こえてきそうですが、その場合、どんなワインを飲むのかがわからないと、ベストな提案は難しかったりします。
ええぇ・・・なんて言わないでください。そうは言っても定番の大まかな合わせかたならあります。ひとつずつみていきましょう。
★ワインが決まっていない場合
どんなワインを飲むか、赤か白かも決まってないけど、でもチーズが欲しいから合いそうなのを・・・という場合、アドバイスとしては『食べたいチーズでOK』です。結果的にそれが一番満足度が高くなります。
★白ワインに合わせたい場合
チーズは赤ワインで・・・というイメージの方も多いかもしれませんが、実のところ、チーズには白ワインのほうが相性のいいものが多くあります。チーズの造り手さんも、白ワインをおすすめしている方が意外にも多いのです。
軽めのデイリー白ワインだったら、チーズは風味の軽いものや熟成も若いものを。カマンベールを食べたいなら、あまり熟成していないもので。
酸味のある白ワインだったら、チーズにも酸味のあるものを。ヤギのフレッシュチーズもよいし、イタリアの熟成の若いアジアーゴ・フレスコもおすすめです。
コクのある白ワインなら、フランスのコンテ(熟成12ヶ月くらいのもの)や熟成が中くらいのゴーダ、柔らかいチーズがお好みならブリーや熟成が中くらいのカマンベールを。グリエールも合うし、実際のところ合わないチーズはないくらいです。ウォッシュチーズも合います。コクに加え甘みのある白ワインならブルーチーズだって美味しくいただけます。
★赤ワインに合わせたい場合
軽めのデイリー赤ワインだったら、食べやすく買いやすいブリーや熟成が中くらいのカマンベール、軽めのウォッシュチーズを。
酸味や果実味のある赤ワインだったら、羊のチーズ(マンチェゴやオッソー・イラティなど)もおすすめ。
重くどっしりとした赤ワインだったら、エポワスなどのこってり濃厚なウォッシュチーズや、強めのブルーチーズの代表、ゴルゴンゾーラ・ピカンテやロックフォールも合います。
★ワインの風味が不明な場合
軽めとか重めとか飲んでみないとわからない、というときは、ワインの産地を参考にします。フランスワインだったらフランスのチーズ。さらにブルゴーニュ地方ならブルゴーニュ地方のチーズ、というように。イタリアワインならイタリアのチーズ、日本のワインなら日本のチーズで。チーズの産地がどこなのか不明なときは、お店の店員さんに聞いてみてくださいね。
ワインが軽ければチーズも軽い味わいのもの、ワインが重ければチーズも濃厚で重い味わいのもの、が合わせるコツです。
ワインとチーズの強さを同じくらいにすると、どちらが際立ちすぎることもなく、すんなりとハマります。
ワインにチーズを合わせる、ということを難しく考えずに、好きなワインを好きなチーズで楽しむ、結局はそれが一番幸せなマリアージュの気がします。