長芋とマンステール
マンステールというチーズを知っていますか?ウォッシュチーズを代表するチーズのひとつ、フランスの東部アルザス地方のヴォージュ山脈にあるマンステールの谷で造られるチーズです。
ウォッシュチーズは、その名のとおり“ウォッシュ(洗う)”チーズです。と言っても水に浸けてじゃぶじゃぶ洗うわけではありません。熟成させる過程で塩水に布を浸し、この布で毎日チーズの表面を撫でていくことで独特の香りと風味をもたらす表皮ができあがっていきます。
マンステールは塩水で洗うチーズですが、ウォッシュチーズには塩水で洗うものの他に、蒸留酒(マール酒)を水で薄めたものや、真水で洗うものなどいろいろな種類があります。
マンステールという名前は“修道院”を意味する“モナステール”が語源。その名のとおり、中世の初めの頃にこの地域にやってきたベネディクト会の修道士たちが、放牧を始めそしてチーズをつくるようになったのがマンステールの始まりと言われています。
そんなマンステールですが、納豆を思わせる独特の香りがあります。リネンス菌という細菌によるもので、リネンス菌は納豆菌の仲間なので納得の香りですね。
でもこの独特の香りに反して、中はむっちりとろりと濃厚なミルクのコクがある食べやすいマンステール。そのまま食べても、現地流にクミンシードを添えても、アルザスのワインと合わせても、茹でたじゃがいもにのせても、とにかくおいしい。今回は、ポピュラーな食べ方のじゃがいも&マンステールではなく、長芋とのマリアージュをご紹介します。
用意するもの
- マンステール(お好きなだけ)
- 長芋(15センチ程度)
- オリーブオイル
- 塩、黒胡椒
- アルミホイル
作りかた
- 長芋をよく洗い、皮をむかずにアルミホイルでしっかりと包む
- 200〜250度に余熱したオーブンに入れ、40分〜50分(最低30分)しっかりと加熱する
- お皿にとり、アルミホイルを開けて、フォークを使って長芋を縦に半分に割る
- オリーブオイルをかけ、薄切りにしたマンステールをのせる
- お好みで塩、黒胡椒をふる
ご家庭のオーブンによって、加熱温度や加熱時間は調整してください。シャキシャキ食感がお好きな方は加熱時間は短めに、ほくほく食感がお好きな方は加熱時間を長めにするといいですね。縦半分に割るときは、包丁を使わずにフォークを使うと、断面がランダムになってチーズやオリーブオイルがよりなじみやすくなります。
マンステールのふるさと、アルザス地方はドイツに隣接する地域。ですからコクのあるビールとも好相性。ワインだけでなく、ビールとの組み合わせもぜひお試しを。
あつあつの長芋にとろけるマンステールの濃厚な風味、長芋1本丸ごと食べられてしまうくらいのおいしさです。ご注意ください。