ボジョレー・ヌーヴォーがやってくる
今年もこの時期がやってきました。そうです。ボジョレー・ヌーヴォー!2019年は11月21日(木)解禁となっています。
いっときほどの盛り上がりは見せなくなったこのボジョレー・ヌーヴォー解禁ですが、ワイン好きの方ならやっぱり気になる日ですよね。
そもそもボジョレー・ヌーヴォーとは何ぞやという話なのですが、フランスは“ボジョレー地区”の“ヌーヴォー”、つまりその年に収穫したブドウで造った新酒です。毎年11月の第3木曜日に、全世界一斉に解禁になります。日本は日付変更線の関係で世界の中でもいち早く解禁になるということもあり、お祭りムードに拍車がかかります。
ところで、ボジョレー地区はフランスのブルゴーニュ地方にあり、ブルゴーニュ地方のブドウの栽培面積の半分くらいを占めている大きな地区です。ヌーヴォー以外ももちろんありますが、突出してヌーヴォーが有名ですよね。どうしてそうなったのかはググっていただいたら一発です。(人まかせ)
ボジョレー・ヌーヴォーの品種は『ガメイ』というイチゴを思わせるような味わいのブドウ。長期熟成させるタイプのブドウとは異なり、早飲みタイプのブドウです。毎年、ボジョレー・ヌーヴォーには“偉大な年”だの“史上最高の出来”だのとキャッチフレーズがつきますが、その字面の重厚さに一体どんなすごいお味なのかと思ってしまいますよね。でもガメイから造られるヌーヴォーは、やっぱりとてもフレッシュでチャーミングで可愛らしい味です。
今回は、そんなチャーミングでフレッシュな味わいのボジョレー・ヌーヴォーに合わせたいチーズを3つご紹介します。
●オッソー・イラティ(フランス/羊乳/ハード)
フランスとスペインの国境にあるピレネー山脈を抱くバスク地方で造られるのがオッソー・イラティ。羊のミルクで造られるこのチーズは、後味がほんのりと甘く、羊のミルクならではのコクがありとてもまろやかです。羊のミルクですがクセはまったくありません。現地のみなさんは、ベリー系のジャムを添えて召し上がっているくらいなので、ボジョレー・ヌーヴォーのイチゴのような果実味のあるフレッシュな風味ととてもよく合います。
●サン=マルセラン・アフィネ(フランス/牛乳/ソフト)
フランスのドーフィネ地方で造られるサン=マルセラン。リヨンの近くがその発祥と言われており、もともとは山羊乳のチーズでした。このチーズは、若いうちはクリームチーズ を思わせる食感と軽い酸味をもっていますが、熟成するにつれてどんどんとろとろになり、クリーミィでまろやかになっていきます。サイズも小ぶりなので、買いやすいのも魅力。薄切りのバゲットを軽くトーストして、とろとろのサン=マルセランをスプーンでのせたら、ボジョレー・ヌーヴォーが1本すぐ空くことウケアイです。
●ガレ・ド・ラ・ロワール(フランス/牛乳/ソフト)
ガレ・ド・ラ・ロワールとは、ロワール河の“ガレ”(小石)という意味の名前。フランスのロワール地方で造られています。小石という名前とは裏腹に、直径15センチ弱ほどもあるチーズ。ウォッシュチーズに分類されますが、一般的なウォッシュチーズにイメージされるような強い香りはありません。真水で数回ウォッシュするだけのこのチーズは、とても穏やかな香りと、そして濃厚でクリーミィで滑らかな口溶けが楽しめるチーズです。クリームを追加して造っているので、そのミルキーさは格別。こってりとしたこの味わいと、ボジョレー・ヌーヴォーのフレッシュな風味がマッチします。
ボジョレー・ヌーヴォー解禁まであと3日。チーズを準備しておかないと間に合わないかも・・・?